推薦AO入試は就職できない?メリット・デメリットを公開します

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推薦・AO入試で大学などに進学すると、就職時に不利になるという話が広がっています。改めて推薦・AO入試のメリット、デメリットを考えてみます。

推薦・AO入試と一般入試の違いとは?

なるほど

✔ 各入試の主な試験科目は下記のようになります。

①公募制推薦
□ 調査書(=評定基準あり)
□ 小論文(理系は口頭試問の場合もあり)
□ 志望理由書
□ 面接

②AO入試
□ 自己PR
□ 志望理由書
□ 様々な選抜方法(面接・小論・作文・レポート・実技)
※調査書も見る。

③指定校推薦
□ 調査書(=評定基準あり)
□ 面接(小論文・作文・志望理由書を課すこともあり)

④一般入試
□ 学科試験
国立大 原則として5教科(センター試験)
私立文系:英国社または英国数。2教科以下もあり。
私立理系:英数理。2教科以下もあり。

※上記は標準パターン。学校により(特に国公立大や看護医療系大学)異なります。

✔ ①~③を推薦・AO入試と呼びます。一般入試との違いは英語など学科試験の有無です。学力は3年間の成績(調査書の評定平均値)で判断されます。

✔ ①公募制推薦、②AO入試の違いは何でしょうか?

①公募制推薦
□ 調査書(=評定基準あり)
□ 小論文(理系は口頭試問の場合もあり)
□ 志望理由書
□ 面接

②AO入試
□ 自己PR
□ 志望理由書
□ 様々な選抜方法(面接・小論・作文・レポート・実技)

比べれば分かるように、AO入試では調査書よりも「自己PR」が重視されます。成績が多少不振でも、部活動など自己PRの要素が強ければ入学を認める仕組みです。

※指定校推薦は在籍高校の先輩の活躍ぶりが基準となり、高校の教育力を信頼した推薦制度です。

推薦・AO入試、一般入試を簡単に言うと?

なるほど

推薦・AO入試、一般入試を簡単に言うと……

①公募制推薦 … 総合力を見る
②AO入試 … 人間力を見る
③指定校推薦 … 高校力を見る
④一般入試 … 学力を見る

✔ 以上のようになります。公募制推薦は学力も見ますが、その基準は高校の成績(評定平均値)。つまり定期試験で一定の得点を取れていれば良いといえます。しかし定期試験は、あくまで高校の中の競争であり、1~2週間程度の努力の成果です。そのため良い人材を取りたい企業は、推薦・AO入試の生徒よりも一般入試の生徒を採りたがる傾向にあります。

✔ AO入試は、大学により異なりますが学力を最も問わない入試とのイメージがあり、採用担当者が入試制度に詳しい場合は不利になる可能性があります。

公募制推薦入試のデメリットとメリットを公開

公募制推薦のデメリット、メリットは以下の通りです。

▲ 就職活動でマイナス評価される傾向
▲ 進学後、授業についていけない学生も。
○ 授業・定期試験と特別活動への3年間の取り組みが評価
○ 総合力を見る入試なので、AO指定校への変更は容易。

✔ 公募制推薦は、長期戦の入試に耐え基礎学力を備える一般入試組よりもやや評価を落とされることがあります。ただし個人差も大きく、難度の高い国家資格が前提となる業界ではその限りではありません。また基礎学力がやや低いことから、特に理系で授業についていけないという傾向が強く出ます。文系生も、難度の高いレポートや期末試験で不利になることがあります。

✔ 一方、コツコツと努力を積むことができても、模擬試験などで深く問われると点数が取れないという高校生は、3年間の継続がしっかりと評価される公募制推薦向けです。あなたが定期試験向けか1発勝負の入試向けかは、中学の時に「定期試験」「実力テスト」のどちらが得意だったのかで測ることができます。

✔ なお、調査書の比重が落ち小論文を課さないこともあるAO入試に比べ、学力から人間力までまんべんなく問うのが公募制推薦入試です。言い換えれば、高3の夏前にAO入試や指定校推薦に変更することは容易です。特に高2以下はAOや指定校推薦入試でなく、公募制推薦を狙っておくのがおすすめです。

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AO入試のデメリットとメリットを公開

部活生

AO入試のデメリット、メリットは以下の通りです。

▲ 就職活動でマイナス評価される傾向
▲ 進学後、授業についていけない学生も。
▲ 早期合格に惹かれ、志望校を落としがち。
▲ 小論文・作文対策をしなくて良い場合があり、つぶしが効かない。
○ 部活動等へ全力投球した生徒にもチャンスが与えられる
○ 改めて頑張ろうという決意が評価される

AO入試は。早いと夏休み前から入試がスタートするため、秋の早い段階で合格が出る傾向にあります。また大学、短大、専門学校としても計画的に入学者を確保できるため、難関大を除き合格率はやや高くなることがあります。オープンキャンパスでも、試験負担が軽く合格しやすいうえに早く進路が決まることが暗に説明されるため、高校生としても「ここでいい」と決めてしまうことが多くあります。

しかし、十分に比較したうえで難しいけど挑戦しようと決意し入学した学校と比べ、「家から近いし入れそうだし、勉強内の内容も希望とも近いし」と何となく決めた学校の場合、進学後のやる気が続かないことがあります。AO入試は、志望動機とやる気に観点が絞られ試験科目がシンプルなのは良い点ですが、公募制推薦や指定校への変更が効かず、企業評価も低くなりがちなのが欠点です。

AO入試を勧めたいのは部活動(運動部)に打ち込んだ生徒です。部活動の疲れから日頃の勉強が不十分になるのは仕方ない面もありますし、就職の際に部活(運動部)の経験は評価されやすい傾向があります。組織の上下関係は企業と似ており、あいさつがしっかりできる傾向にあるからです。AO入試なら調査書(評定平均値)はそれほど重視しませんので、部活に打ち込んだ生徒にもチャンスがあるのが良い点です。また、高2までサボってしまったとしても、これからは目標に向けて改めて頑張ろうという「やる気」を拾ってもらえる入試でもあります。

※ただし、国公立大や難関大のAO入試は、学力重視の傾向が強くあります。

指定校推薦入試のデメリットとメリットを公開

指定校推薦入試のデメリット、メリットは以下の通りです。

▲ 就職活動でマイナス評価される傾向
▲ 進学後、授業についていけない学生も。
▲ 試験内容が少なすぎ、実力がつきにくい。つぶしが効かない。
▲ ほかの指定校推薦希望者の動向に出願先が左右される
○ 3年間の授業・定期試験への取り組みがしっかりと評価される
○ 在籍高校の代表として評価してもらえる

公募制推薦・AO入試と同様、就職活動や進学後の授業への対応力でやや不利になります。これは1年間以上の長期戦となる一般入試生との基礎学力の差によるものです。また指定校推薦入試は評定平均値の比重が非常に高いため、AO入試と同様、ほかの入試制度への変更が効きにくい点がデメリットです。

指定校推薦は、1つの高校から指定された人数しか受験することができません。その人数は1名または数名です。例えば「A大学の経営学部(指定校枠1名)」を希望していても、自分よりも評定平均値が高い生徒が出願した場合、出願先を変更しなければなりません。指定校推薦に絞り込み小論文などを対策していない生徒は、仕方なく「A大学の経済学部」あるいは「B大学」に志望先を変えることになります。しかし、経営学と経済学は一見似ていても学ぶ内容はかなり異なります。また第2希望の大学に入っても、やる気を見いだせないかもしれません。指定校を狙う際には、いつでも公募制推薦に切り替えられる準備が必要です。

一方で公募制推薦と同様、一発型の試験よりもコツコツ努力することが得意な人を正当に評価するのが指定校推薦入試です。基本的に成績がよく遅刻欠席がなければ、自己PR要素が低くても合格に結びつきます。これは通っている高校の先輩が積み上げてきた高校への信頼度が評価されているからです。その分進学後はかなり好成績を収めないと、後輩が指定校枠を失うことになります。

一般入試のデメリットとメリットを公開

参考書 ポストイット

一般入試のデメリット、メリットは以下の通りです。

▲ 選抜は点数のみ。学力不足の場合は進学先が決まらないことも。
○ 1年間計画し努力した実績に対する企業評価は最大級

一般入試の選抜基準は、当日の試験の点数のみ。非常に厳しい試験です。高2の段階から河合塾の「全統模試」や「駿台模試」を全員が受験している高校に在籍し、最低でも偏差値45程度の記録を残していることが目安になります。就職や専門学校進学者が多く模試を受験しない高校や「ベネッセ」の模試を受けている高校の場合、たとえ高校内で上位にいても一般入試では合格できないこともあります。一般入試は1月から3月に行われる実力のみの試験ですので、合格先がないと浪人するケースもあります。

一方、最低でも1年間自ら計画を立てて取り組んだことを企業は高く評価します(企業人事部に入試の知識がなくても、面接すればその差は判別できるものです)。大学受験の学習は、計画、実行、検証、見直しのPDCAサイクルが必要で、ビジネスマンの仕事と近い要素を持ちます。受験経験があれば、トータルに見て仕事ができそうな人材と見なされることが多くなり非常に有利になります。

PDCAサイクルを回すとか言ってるやつ馬鹿なの?古いよね - とらべるじゃーな!(はてなブログ)
PDCAサイクルを回すとか言ってるやつ。意味あるの?古すぎ。

(外部サイト)

(まとめ)推薦AO入試は就職できない?

✔ 高校が全統、駿台模試を導入しており、先輩に一般入試組がある程度いる高校なら、一般入試を目指した方が有利。進学後、就職活動に大きな差が出る。

✔ 上記に当てはまらない場合、総合力を問われる公募制推薦をまずは目指すのがベスト。合格後、英語力と文章力をつけつつ進学後に使う教科の勉強を進め、一般入試組との差を埋めておくと進学後や就活で成功しすい。

✔ 高校でなるべくハイレベルで厳しい運動部に所属し、休まずに活動できそうならAO入試も選択肢。コミュニケーション力や組織への適合性で、就職活動における不利はかなりカバー可能。また運動部でなくても、かなりハイレベルな課外活動ができる生徒もAO向け。

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